2015年「日本一のパン職人」を決める決勝戦レポート
2015年2月18日~20日の3日間にかけて開催された、ベーカリー・ジャパンカップの各部門の決勝戦。第一回は、大阪開催でしたが、今回は、千葉・幕 張メッセにて開催されました。2年に一度の「日本一のパン職人」を決める選手権大会です。その白熱した模様をお知らせします。21日は、各決勝の製品と準 決勝の製品(一部)の展示会となりました。
ベーカリー・ジャパンカップとは?
日本におけるパン業界の発展や製パン技術の向上を目的に開催された、日本初の製パン技術選手権大会。全国各地のリテイルベーカリーや製パン技術者が参加し、パンづくりの技術やアイディアなどを競い合います。
- 調理パン部門
- 菓子パン部門
- 食パン部門
- 結果発表
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開会式(ガイダンス)
今回で2回目を迎えた「第二回ベーカリー・ジャパンカップ」(全日本製パン技術選手権大会)。全国4つのブロックで予選が開催され、準決勝を勝ち抜 いた先鋭たちによって決勝戦が行われました。競技は、モバックショウ開場前の朝9時にスタート。オープニングセレモニーでは、細貝パン食普及協議会会長か ら、改めて大会の趣旨の説明と、競技者へ激励のあいさつが行われました。
競技内容
「日本のパン」がメインテーマのベーカリー・ジャパンカップ。日本独自の製パン技術を下記の3部門に分けて競い合います。優勝者には、農林水産大臣賞などの賞が贈られます。
課題【コンセプト】健康的で食欲をそそる調理パン
【制限時間】6時間以内
【種類・個数】バンズパン、コッペパン、食パンのいずれかを用いた調理パン決戦の初日に行われた調理パン部門。ほかの部門との違いは、二人一組という チーム制。メインテーマである「日本のパン」を大切に、パンの焼きあげに責任を持っている人もいれば、具材の豚バラ肉をフランベするなど調理に集中する人 もいたりで、それぞれの持ち場で全力を尽くす姿には確かなプロの技術が感じられました。
いずれも個性派ぞろいの調理パンで、それぞれの思いが込められたパンが店頭に並んだ際には、ぜひ、手に取ってみたいと思いました。
課題【コンセプト】子どもから大人まで好まれる、親しみのある菓子パン
【制限時間】6時間以内
【種類・個数】あんぱん・クリームパン・メロンパン日本の伝統的な菓子パンであるあんぱんにクリームパン、メロンパンといった定番の商品で競い合う菓子パン部門。
メロンパンに何か入っていたらいいなと思っていたという子供時代の気持ちか ら生まれたアーモンドクリーム入りのメロンパンや、滑らかになるよう、ミルククリームに滑練乳を使用したというミルククリーム入りのクリームパンなど、鍛 練を積んできた職人ならではのこだわりが感じられました。「面白くておいしい」という審査員評も印象に残りました。
課題
【コンセプト】食事パンとしてふさわしく、国内産小麦のおいしさを伝えるパン
【制限時間】6時間以内
【種類・個数】国内産小麦粉(産地を問いません)を50%以上使用した角型食パン(プルマン型)最終日に行われた食パン部門。最もシンプルでパンの原点ともいえる角型食パ ンを競うコンテスト。日本で生まれた国内産小麦を使ったおいしいパンであることが課題のため、それぞれの競技者の出身地で採れる小麦粉を配合したり、全粒 粉を使ってヘルシーにおいしく食べられるよう工夫した食パンなどがあり、どれも興味を喚起されるものでした。
コンテスト会場では普段と違うコンディションなどを考慮し、若干作り方を変 更した競技者もいましたが、プレゼンテーション後にレシピについて審査員から尋ねられる場面もありました。また、審査員からは、商品の実用化と価格設定に ついて尋ねられる場面が多く、マーケティングという視野がどれだけ入っているかということが問われているようでした。
受賞者
前嶋 国明、 河合 瑞季(静岡県)
株式会社ウインウインPEATERPAN
受賞者
宇田 大希(兵庫県)
株式会社イスズベーカリー
大人から子供まで愛される菓子パンというコンセプトにふさわしい商品だった。クルミのりキュールを使っているので風味もよく、リキュール漬けのクルミのトッピングも生地に合うバランスのよいものだったと思う。
オーソドックスな菓子パンの中にも地元神戸のおしゃれでモダンなイメージを伝えたいと思いました。中にはクルミリキュールを使った高価なものもあり ますが、付加価値を作っていくことは大切だと思います。自分がいない間も店に立ってくれているみんなに支えられてここまで来ることができました。皆さんに 感謝したいと思います。
受賞者
芳野 健(福岡県)
株式会社木輪
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地域の特産にこだわり、静岡のお茶や大吟醸の酒粕を風味づけに使い、御殿場のこだわりベーコンや、三ヶ日のみかんはちみつなどをグリルするなど、地の食材を生かすことに徹底したことが功を奏した。
(会場に送った材料が届かないなど)いろいろハプニングもありましたが、大会スタッフをはじめ、多くの方々に協力していただき無事に作品を仕上げることができました。応援してくださったすべての方へ、感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございました!